日本は世界屈指の長寿大国。
『人生100年時代』という言葉が生まれるほど、日本の『長生き』は減るどころか増加傾向にあります。
これは当然良いことなのですが、人生が100年になるということは、必然的に生涯で必要なお金も増えてくるということです。
これまでは、数々のデータをもとに、『貯金3000万円』が老後に必要な貯蓄額だとされてきましたが、人生100年時代が訪れるとその金額も見直さなくてはなりません。
100年も生きないよと思っている方も多いかと思いますが、この事実は現在50歳未満の方には大いに想定できる事態です。
『人生80年』で計画していた資産形成を『人生100年』を前提に発送の転換をしなければならないわけですが、20年分の必要資産をこれからさらに貯蓄するのは非現実的です。
今回は”資産を増やす”のではなく、”資産を延命する”ということをテーマに、老後破産にならないための7つの秘訣をご紹介します。
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①老後資金の切り崩し方を見直す
まずは、切り崩し方の計画を見直すことが必要となります。
先ほどご紹介したように、「これからさらに貯蓄せよ!」と言われても非現実的。
見方を変えて、例えば定年から80歳までの『老後前半』と、それ以降の『老後後半』に分けて、前半は年利2~3%の低リスクな資産運用をし、後半はそれを切り崩す時期にします。
貯金を一気に増やすことはできないので、「前半は貯めながら使う」、「後半はそれを切り崩す」という計画性を今からもっておく必要があります。
②年金を減らす
国や自治体には高額の医療費や介護費が戻ってくるような制度がたくさんあります。
これらは入院破産などの対策にもなるので、是非とも申請しておきたいところですよね。
そのような還付金を最大にする手段のひとつとしてを「年金を減らす」という方法があるのはご存知でしたでしょうか?
年金は老後の生活に欠かせないもので、もちろん多いに越したことはないのですが、場合によっては年金を多くもらうよりも、還付金で得られる差額の方が多かったりするケースもあります。
例えば自分の年金が211万円以下で、妻が国民年金の場合だと、都市圏の自治体では世帯全員住民税非課税となり、医療や介護の保険料が大幅に安くなったりするんです。
さらには高額医療費などの還付基準が下がり、同じ医療費を払うにしても還付率が高くなります。
このように、あえて繰り上げ受給で年金を211万円以下にして、還付金を最大限にするというのも、長生きする上で選択肢のひとつなのです。
③健康=金
一番良い『老後破産対策法』は、定年を過ぎても働き続けることです。
そのために必要なのは『健康管理』です。
今のうちから健康管理をすれば、長く働き続けることができるのはもちろん、健康であればあるほど医療費の支出を抑えることができるのは言うまでもありません。
今のうちから『健康=金』という事実を理解し、健康管理に努めるよう意識改革する必要があります。
④様々なワークスタイル
先ほどご紹介した『健康』とは、決して年をとっても、重たいものを持ってあっちこっちに飛び回れることを言っているわけではありません。
体を使う以外でも様々なワークスタイルがありますよね。
例えば事実として、老人ホームで暮らしながらパソコンひとつで介護費を稼いでいるご年配の方も多数いらっしゃるのはご存知ですか?
老人ホームのような閉鎖的空間ではありながらも、社会と繋がることで老化防止にもなりますし、健康維持にも繋がります。
このように、社会と繋がりを保つためにも、様々なワークスタイルがあるということも今のうちから理解する必要があります。
⑤ライフスタイルの見直し
お金を増やすことだけでなく、支出を減らすということにも目を向けましょう。
例えば、スマホがあれば自宅の固定電話を解約しても生活になんら支障はありませんし、車も老後になって利用頻度が下がりそうなのであれば売る。
車の維持費や保険料を考えるとカーシェアリングやタクシーなどを利用した方がよっぽど安く済むなんてことも多々あります。
お子さんが住んでいる時は適切な広さだったマイホームも、夫婦二人となればそんな広さは必要ありませんし、マイホームとはいえ、維持費もかかります。
売却してしまって、安い公営住宅に住むのが良いでしょう。
このように、今当たり前のように思っている”生活必需品”は老後を考えると意外と無駄な支出かもしれません。
⑥相続対策は必要ない時代に
よっぽどの資産家なんかじゃない限り、相続対策で払っている様々なお金も無駄に思えてきます。
100年も生きる時代が来れば、そもそも財産なんて自分で消化していきますし、自分が100歳になる頃には相続させる我が子も70代ですからね。
下手すりゃ自分より先に逝く可能性すらある70代の子供に対して、相続対策のために労力やお金をかけるのは賢明ではないのかもしれません。
⑦人とのつながりをより大事に
先ほどご紹介したように、自分が100歳になる頃には子供は70歳、孫は50歳になろうとしてます。
この三世代だけで助け合おうとすると、どうしても孫の負担が大きくなってしまい、それが招くのが介護離職。
自分と自分の子供のために孫が退職するなんて、まさに悪循環そのものです。
それであれば親子三代で助け合うよりも、同世代の姉妹兄弟と近くに住んで助けあったり、近所の方たちと助け合う方がよっぽど家族崩壊せずに済みますよね。
もしかするとお金や不動産のような目に見える資産よりも、人間関係や家族関係のような人との繋がりが老後の生活においては重要になってくるのかもしれません。
さいごに
『貯蓄が3000万円あったら老後は安心』
そんな時代はもうとっくに終わっています。
『今のうちにもっとお金を稼ぐ』ということを除いては、これといった対策はありませんが、従来の老後資産プランは完全に通用しなくなります。
常識にとらわれない発想で、人生100年時代を向き合う必要があるのかもしれません。
本日も一読ありがとうございました!