羽屋でございます。
ネットでたまに見かけるのが刺青を見せたら脅迫罪になるという記事。
確かに、なんとなく刺青=怖い人というイメージがあるので露出していたら脅迫罪になってもおかしくなさそうだけど・・・。
実際のところはどうなのでしょうか?
脅迫罪・恐喝罪・強要罪の違い
そもそも冒頭では脅迫罪としましたが、その他にも恐喝罪、強要罪っていうのもあるんですよね。
違いについて触れるとともに、今回のテーマである刺青を露出した場合はどれになる恐れがあるのかも推察していきます。
脅迫罪
脅迫罪は命や身体、自由、名誉、財産などに対して害を加える事を告知して脅迫した場合に成立するようです。
ここでのポイントは告知するだけで実際には何も危害を加えていないということです。
恐喝罪
告知し、尚且つ実際に相手の合意のない財産を受け取った場合です。
先ほどご紹介した脅迫の目的がお金などの「財産」である場合、実際に受け取ってしまうと恐喝罪に値するということですね。
強要罪
告知し、実際に義務のないことを無理やり行わせると強要罪に値します。
もっと簡単にいうと、脅迫の目的が財産以外であれば強要罪になるということです。
違いのまとめ
行為 | 罪名 |
害悪の告知のみ | 脅迫罪 |
害悪の告知+財産の受け取り | 恐喝罪 |
害悪の告知+義務のない行為をさせた | 強要罪 |
刑法なのでケースにもよりますが、ほとんどの場合
脅迫罪<恐喝罪、強要罪
上記の順番で罪が重いとされています。
では、本題である刺青を見せた場合はどれに該当する可能性があるのでしょうか?
結論:どれにも値しない
上記の詳細を見ていただければわかるように、結論だけでいうと刺青を露出しているだけではなんの罪にも問われません。
なので、刺青を露出していてもOKです。
余談ですが、たまーに「和彫りはダメだけどタトゥーは良いんだよ!」と言う方がいます。
恐らくここでいう和彫りとは額(がく)の入った任侠をイメージさせるもののことで、洋彫りというのはファッション感覚のものを言っているのだと思いますが、デザインや彫る際のスタイルなんかも一切関係ありません。
ただし。
これは刑法の文面上だけの話です。
刺青やタトゥーの世間体と実際の事例
刺青やタトゥーの世間体は良くありません。
怖いものです。
もうこれはきっぱりと言わせていただきます。
私も実際に入れているので、個人的な偏見ではありませんし、もちろん相手に怖い思いをさせるために入れたものではありません。
ですがそんなつもりで入れてなくても怖いものとイメージされることがあります。
これはもう日本の文化のようなもので、これについては別の記事に書いていますのでそちらをご覧下さい。
別の記事:【刺青】タトゥーは何故隠す方がいいの?
超おしゃれな女性が腕にワンポイントでハートとかだと話は違うかもしれませんが、基本的に世間から怖いものと認識されている以上、露出した際に上記のような罪に問われてもなんらおかしくはないということです。
刺青を露出しているために起こった実際の事例をご紹介します。
居酒屋さんで・・・
居酒屋を営む知人から聞いた話です。
刺青を露出したお兄さんが隣のテーブルのお客さんと仲良くなり・・・
二人ともほどほどに酒を楽しみ、会話の流れで刺青のお兄さんが
「え!?じゃあご馳走してくれるんですか!?」
と言ったそうです。
実際に隣のテーブルのおじさんはお酒を2~3杯ご馳走し、その日は何もなかったようなのですが、後日警察の方がお店に来て
「先日こちらのお店で恐喝がありました。」と現場確認に。
知人は目が点になったと言っていました。
なにやらそのおじさんは刺青兄ちゃんにお酒をご馳走した後、警察に行ったようで、
「刺青が入っていたので怖くて断れなかった」
と話していたそうです。
直接的な要因にはならない
確かに、刺青を露出しているだけでは脅迫罪や恐喝罪には値しません。
ですが、先ほどご紹介したケースのように、本人にそんなつもりはなくても刺青があることで脅迫罪や恐喝罪になってしまうケースもあります。
その後、刺青のお兄さんがどうなったかは定かではありませんが、この場合、立件されたにせよされてないにせよ、間違いなく刺青を露出していたことが原因で起こった事案です。
刺青やタトゥーを露出するのは問題ありませんが、どこかでトラブルの引き金になるようなこともあるということを念頭に入れておいた方が良いかもしれません。